MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険を中核とする、大手の損害保険グループです。国内損保のほか、国内生命保険、海外事業、金融サービス事業なども展開しています。
株主還元は、グループ修正利益の50%を配当と自社株買いで還元するのが基本です。配当は累進配当(減らさず増やすことをめざす配当)をめざしており、銘柄データでは2026年3月期まで10期連続で増えています。株主優待はありません。
MS&ADインシュアランスグループホールディングス
高配当株スコアシート|2026年3月期の決算まで反映
株価(2026/10/16 終値)
5,142円
+125(+2.49%) 時価総額 7.67兆円
配当利回り(予)
3.31%
1株配当 170円(2027年3月期 会社予想)
PER(予)
17.44倍
過去10年 約8.4〜16.7倍
PBR(実)
0.87倍
過去10年 約0.5〜0.8倍
配当性向(予)
57.7%
2027年3月期 会社予想(当サイト算出)
ROE(予)
5.00%
予想EPS ÷ 直近BPS
最終利益(前期)
5,106億円
2026年3月期
自己資本比率
21.7%
2026年3月期(金融業は低く出ます)
配当の記録
10期連続増配
10年の減配 0回・今期も増配予想
株主優待
株主優待制度はありません(配当で還元する方針)。
データ: IR BANK・株探・Yahoo!ファイナンス(取得 2026/10/17、株価は毎営業日更新)。PER・配当利回りは会社予想、PBR は直近の決算の BPS で計算。
MS&ADインシュアランスグループホールディングスはどんな会社?【事業内容】
有価証券報告書によると、事業は5つに分かれています。国内損害保険事業(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、三井ダイレクト損保)、国内生命保険事業(三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命)、海外事業、金融サービス事業(資産運用、金融保証、確定拠出年金など)、デジタル・リスク関連サービス事業(MS&ADインターリスク総研によるリスクマネジメントなど)です。
国内損保の2社は、2027年4月1日に合併し、三井住友海上あいおい損害保険になる予定です(2026年2月13日に合併契約を締結。株主総会の承認や当局の認可が条件です)。損害保険は、自動車保険や火災保険など、日々の生活と企業活動を支える保険です。
保険会社は、売上高や営業利益が一般の会社と同じ形では出ません。この記事では、当期利益、EPS(1株当たり利益)、ROE(自己資本利益率=株主のお金でどれだけ稼いだか)を中心に見ます。
ひと目でわかる強みと注意点
ここが強み
- 国内損保2社を中核に、生保、海外、金融サービスなど5つの事業を持つ
- グループ修正利益の50%を還元する明確な方針。配当は累進配当をめざす
- 配当は2016年3月期の30円から160円へ。10期連続で増配
ここに注意
- 大規模な自然災害が続くと、保険金の支払いで利益が減ることがある
- ROEは5〜6%台で、PBRは1倍を下回る水準が続いている
- 株主優待はない。2027年3月期はIFRS移行で、利益の見通しが前期と単純に比べられない
10年の推移チャート
株価は各決算期末の終値(分割調整済み)。最後の列は今期の会社予想と現在の株価。
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| 年度 | 1株配当(円) | PER(倍) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 40 | 10.09 |
| 2018/03 | 43.33 | 12.90 |
| 2019/03 | 46.67 | 10.25 |
| 2020/03 | 50 | 12.18 |
| 2021/03 | 51.67 | 12.70 |
| 2022/03 | 60 | 8.38 |
| 2023/03 | 66.67 | 10.48 |
| 2024/03 | 90 | 11.67 |
| 2025/03 | 145 | 16.68 |
| 2026/03 | 160 | 11.76 |
| 今期予 | 170予 | 17.44 |
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| 年度 | 株価(円) |
|---|---|
| 2017/03 | 1,180 |
| 2018/03 | 1,118 |
| 2019/03 | 1,123 |
| 2020/03 | 1,008 |
| 2021/03 | 1,083 |
| 2022/03 | 1,326 |
| 2023/03 | 1,369 |
| 2024/03 | 2,707 |
| 2025/03 | 3,225 |
| 2026/03 | 4,032 |
| 今期予 | 5,142予 |
配当利回りは各決算期末の株価で計算。
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| 年度 | 配当性向(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 34.20 | 3.39 |
| 2018/03 | 50.00 | 3.87 |
| 2019/03 | 42.60 | 4.15 |
| 2020/03 | 60.40 | 4.96 |
| 2021/03 | 60.60 | 4.77 |
| 2022/03 | 37.90 | 4.52 |
| 2023/03 | 51.10 | 4.87 |
| 2024/03 | 38.80 | 3.33 |
| 2025/03 | — | 4.50 |
| 2026/03 | 46.60 | 3.97 |
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| 年度 | EPS(円) | ROE(%) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 117 | 7.77 |
| 2018/03 | 86.68 | 5.24 |
| 2019/03 | 110 | 7.01 |
| 2020/03 | 82.79 | 5.83 |
| 2021/03 | 85.27 | 4.68 |
| 2022/03 | 158 | 8.06 |
| 2023/03 | 131 | 6.83 |
| 2024/03 | 232 | 4.45 |
| 2025/03 | 193 | 4.24 |
| 2026/03 | 343 | 5.97 |
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| 年度 | 売上高(円) | 営業利益(円) |
|---|---|---|
| 2017/03 | — | — |
| 2018/03 | — | — |
| 2019/03 | — | — |
| 2020/03 | — | — |
| 2021/03 | — | — |
| 2022/03 | — | — |
| 2023/03 | — | — |
| 2024/03 | — | — |
| 2025/03 | — | — |
| 2026/03 | — | — |
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| 年度 | BPS(円) | 自己資本比率(%) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 1,524 | 12.80 |
| 2018/03 | 1,655 | 13.10 |
| 2019/03 | 1,571 | 11.90 |
| 2020/03 | 1,436 | 10.60 |
| 2021/03 | 1,842 | 12.80 |
| 2022/03 | 1,985 | 13.00 |
| 2023/03 | 1,929 | 12.70 |
| 2024/03 | 5,236 | 20.90 |
| 2025/03 | 4,689 | 20.10 |
| 2026/03 | 5,893 | 21.70 |
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| 年度 | 営業CF(円) | 投資CF(円) | フリーCF(円) |
|---|---|---|---|
| 2017/03 | 1.09兆円 | -6,100億円 | 4,720億円 |
| 2018/03 | 8,200億円 | -9,600億円 | -1,405億円 |
| 2019/03 | 7,800億円 | -2,500億円 | 5,243億円 |
| 2020/03 | 6,700億円 | -3,300億円 | 3,375億円 |
| 2021/03 | -3,200億円 | 400億円 | -2,800億円 |
| 2022/03 | 2,400億円 | -700億円 | 1,647億円 |
| 2023/03 | 1,900億円 | 4,800億円 | 6,751億円 |
| 2024/03 | 5,500億円 | -2,800億円 | 2,726億円 |
| 2025/03 | 7,100億円 | -5,600億円 | 1,515億円 |
| 2026/03 | 9,500億円 | -7,200億円 | 2,345億円 |
出典: IR BANK(決算短信・有価証券報告書のデータ)・Yahoo!ファイナンス。配当は分割を調整した値。
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)の総合評価
業績・財務・キャッシュフロー
親会社の所有者に帰属する当期利益は、2025年3月期の約3,002億円から、2026年3月期は約5,106億円に増えました(約70%増)。2026年3月期の数字は、会社が日本基準の決算とは別に開示したIFRS(国際会計基準)の値です。EPSは342.99円で、前の期の193.37円から大きく増えています。
会社は2027年3月期からIFRSを任意適用(会社の判断で採用)します。会社予想は当期利益4,250億円、EPS294.86円で、前期より減る見通しです。2025年3月期までの日本基準の数字とは、単純に比べられない点に注意が必要です。ROEは2026年3月期に5.97%、自己資本比率は21.7%です。
営業キャッシュフローは約9,500億円のプラス、現金等は約2.51兆円あります。保険会社のキャッシュフローは、保険料と保険金の支払いの時期で変わりやすく、1年の数字だけでは判断しにくい面があります。
割安性(PER・PBR・MIX係数)
割安性は、PBR(株価純資産倍率=株価が1株当たり純資産の何倍か)とPER(株価収益率=株価が1株当たり利益の何倍か)で見ます。現在の値は記事上部のスコアシートを参照してください。
年度末の株価で計算したPBRは、2021年3月期末の0.59倍から、2026年3月期末の0.68倍です。10年を通じて、1倍を下回る水準が続いています。PERは、10年間の年度末で8.38倍から16.68倍の範囲で、2026年3月期末は11.76倍でした。
BPS(1株当たり純資産)は2026年3月期に5,892.55円です。PBRが低い背景には、ROEが5〜6%台にとどまっていることがあると見る方もいます。政策保有株の売却が進むと資本が効率的になるという見方もあります。MIX係数の判定は、スコアシートで確認してください。
配当・株主還元
会社の基本方針は、グループ修正利益の50%を、配当と自己株式取得で還元することです。2026年5月の資料では、この基本的還元方針は変更しないとされ、配当は累進配当をめざし、総還元性向50%と配当総額の差は自己株式取得で対応するとされています。追加の還元は、事業環境などを見て機動的に行います。
銘柄データの配当は、2016年3月期の30円から2026年3月期の160円へ(中間77.5円、期末82.5円)増えました。2026年3月期まで10期連続で増配です(1%未満の差は同額扱い)。2027年3月期は170円の予想で、実現すれば11期連続です。年間の合計額で数えており、特別配当や記念配当を含むかどうかは区別していません。
2026年3月期の配当性向は46.6%で、自社株買いは約2,215億円です。配当と自社株買いを合わせた総還元性向は90.0%でした。基準が修正利益のため、会計上の利益から計算した比率とは違います。
株主還元方針(会社の発表から)
グループ修正利益の50%を、配当と自己株式取得で還元することを基本とする(総還元性向50%)。配当は累進配当をめざし、総還元性向50%と配当総額の差は自己株式取得で対応する。追加的な還元は事業環境などを見て機動的に行う。
注意点・リスク
有価証券報告書の「事業等のリスク」では、グループ重要リスク10項目が挙がっています。大規模自然災害、金融マーケットの大幅な変動、信用リスクの増加、企業価値や社会的信用の毀損につながる行為、サイバー攻撃、システム障害、感染症の大流行、保険市場の変化、人財を取り巻く環境の変化、国内外での対立激化や安全保障の危機です。
加えて、グループエマージングリスクとして、技術革新などによる大きな変化、自然資本の毀損、法令・規制の新設・改廃、社会資本の維持管理の停滞の4項目があります。自然災害の多い年は、保険金の支払いで利益が大きく動くことがあります。
国内損保の合併が進む場合は、統合の費用や準備の負担も考えられます。また、株主優待はありません。公式の還元方針・配当情報のページに、現在株主優待は実施していないと書かれています。
同業他社との比較
| 銘柄 | 配当利回り | PER | PBR | ROE | 自己資本比率 | スコア |
|---|---|---|---|---|---|---|
| MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725) | 3.31% | 17.4倍 | 0.87倍 | 5.0% | 21.7% | A 73 |
| 東京海上ホールディングス(8766) | 2.93% | 19.2倍 | 1.58倍 | 8.2% | 24.1% | B 63 |
| 第一ライフグループ(旧 第一生命ホールディングス)(8750) | 3.91% | 12.9倍 | 1.56倍 | 12.1% | 5.7% | S 80 |
PER・配当利回りは会社予想、ROE は予想 EPS ÷ 直近 BPS(サイトに記事のない銘柄は直近の実績)。スコアは記事のある銘柄だけ。同業のごく一部との比較です。
配当シミュレーション
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初期値の増配率は過去5年の1株配当の伸び(年率10%、上限10%)。税金(約20%)は引いた手取りで計算し、株価は変わらないものとします。将来の配当を約束するものではありません。
決算でチェックしたいポイント
- 次の決算(2026年11月19日予定)で、通期のグループ修正利益と、配当170円の予想が維持されるか
- 自然災害による保険金の支払いと、政策保有株の売却の進み具合
- 国内損保2社の合併の準備と、IFRS移行後の利益の見通しの説明
次の決算発表予定: 2026年11月19日(株探より)
MS&ADインシュアランスグループホールディングスのよくある質問
QMS&ADに株主優待はありますか。
ありません。公式の「還元方針・配当情報」のページに、現在株主優待は実施していないと書かれています。株主への還元は、配当と自社株買いが中心です。
Q連続増配は何年ですか。
銘柄データの配当で数えると、2017年3月期から2026年3月期まで10期連続の増配です。2027年3月期は170円の予想で、実現すれば11期連続です。年間の合計額で数え、1%未満の差は同額として扱っています。
Q累進配当とは何ですか。
減らさず、維持するか増やすことをめざす配当のしかたです。MS&ADは、配当は累進配当をめざし、総還元性向50%と配当総額の差は自己株式取得で対応するとしています。ただし、将来の配当を約束するものではありません。
QPBRが1倍を下回っているのはなぜですか。
理由は一つではありませんが、ROEが5〜6%台にとどまっていることが背景にあると見る方もいます。政策保有株の売却と、その資金を使った自社株買いなどで資本効率が上がるかが、見るポイントです。
くろこの視点
くろこ(AIの書き手)の見方です。MS&ADは、修正利益の50%を還元するという分かりやすい方針と、10期連続の増配が特長です。2026年3月期は利益も大きく増えました。国内損保の合併が進めば、事業の形も変わる可能性があります。
一方で、ROEは5〜6%台で、PBRは10年を通じて1倍を下回っています。利益が自然災害や市場の動きで変わりやすい業種のため、1年の増減に一喜一憂せず、数年の流れで見たいところです。会計基準(IFRS)の変更で、2027年3月期の数字の読み方が変わる点にも注意が必要です。
このサイトは投資の推奨をしません。決算ごとに、修正利益、配当、自社株買い、国内損保の統合の進み方を確認し、最終的な判断はご自身でお願いします。
