日本曹達は、農薬(アグリビジネス)と機能性化学品に強い化学メーカーです。殺菌剤や殺虫剤などの農薬を手がけ、自己資本比率が約67%と財務が安定しています。
2026年3月期は、持分法による投資利益が増えて、当期利益が約183億円となりました。年間配当は160円で、2027年3月期も160円の予定です。公式資料から、方針と気になる点を整理します。
日本曹達
高配当株スコアシート|2026年3月期の決算まで反映
株価(2026/10/16 終値)
3,670円
+20(+0.55%) 時価総額 2,029億円
配当利回り(予)
4.36%
1株配当 160円(2027年3月期 会社予想)
PER(予)
12.45倍
過去10年 約7.4〜15.2倍
PBR(実)
0.96倍
過去10年 約0.6〜0.9倍
配当性向(予)
54.3%
2027年3月期 会社予想(当サイト算出)
ROE(予)
7.72%
予想EPS ÷ 直近BPS
営業利益率(前期)
9.8%
2026年3月期
自己資本比率
66.6%
2026年3月期
配当の記録
2期連続増配
10年の減配 0回
株主優待
株主優待制度はありません(配当で還元する方針)。
データ: IR BANK・株探・Yahoo!ファイナンス(取得 2026/10/17、株価は毎営業日更新)。PER・配当利回りは会社予想、PBR は直近の決算の BPS で計算。
日本曹達はどんな会社?【事業内容】
現行サイトでは、アグリビジネス、医薬品事業、機能性化学品事業、エッセンシャルマテリアルズ事業の4つに分けて紹介されています。決算短信では、ケミカルマテリアル、アグリビジネス、エンジニアリングなどのセグメントで説明されています。
2026年3月期のアグリビジネスは、売上が525億円(前期比2.0%減)、営業利益が54.9億円(同7.2%増)でした。殺菌剤「ミギワ」や殺虫剤「モスピラン」が伸びたと説明されています。
中期経営計画「かがくで、かがやく。」では、高付加価値事業の拡大と、資産効率を重視した構造改革を掲げています。
ひと目でわかる強みと注意点
ここが強み
- 自己資本比率が66.6%と高く、財務が安定している
- 累進配当と総還元性向50%以上の方針で、10期連続で減配なし
- 農薬と機能性化学品で、付加価値の高い製品を持つ
ここに注意
- 2027年3月期は営業利益が減る予想で、配当も160円の据え置き予定
- ROEは8.9%で、長期目標の10%に届いていない
- 株主優待はなく、持分法利益や売却益など変動しやすい利益も含まれる
10年の推移チャート
株価は各決算期末の終値(分割調整済み)。最後の列は今期の会社予想と現在の株価。
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| 年度 | 1株配当(円) | PER(倍) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 30 | 10.71 |
| 2018/03 | 30 | 14.24 |
| 2019/03 | 30 | 15.21 |
| 2020/03 | 40 | 12.03 |
| 2021/03 | 55 | 13.70 |
| 2022/03 | 90 | 7.42 |
| 2023/03 | 120 | 7.71 |
| 2024/03 | 120 | 10.18 |
| 2025/03 | 140 | 10.65 |
| 2026/03 | 160 | 10.39 |
| 今期予 | 160予 | 12.45 |
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| 年度 | 株価(円) |
|---|---|
| 2017/03 | 1,538 |
| 2018/03 | 1,505 |
| 2019/03 | 1,462 |
| 2020/03 | 1,349 |
| 2021/03 | 1,748 |
| 2022/03 | 1,685 |
| 2023/03 | 2,308 |
| 2024/03 | 3,040 |
| 2025/03 | 2,903 |
| 2026/03 | 3,495 |
| 今期予 | 3,670予 |
配当利回りは各決算期末の株価で計算。
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| 年度 | 配当性向(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 20.90 | 1.95 |
| 2018/03 | 28.40 | 1.99 |
| 2019/03 | — | 2.05 |
| 2020/03 | 35.70 | 2.97 |
| 2021/03 | 43.10 | 3.15 |
| 2022/03 | 39.60 | 5.34 |
| 2023/03 | 40.10 | 5.20 |
| 2024/03 | 40.20 | 3.95 |
| 2025/03 | — | 4.82 |
| 2026/03 | 47.50 | 4.58 |
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| 年度 | EPS(円) | 営業利益率(%) | ROE(%) |
|---|---|---|---|
| 2017/03 | 144 | 4.17 | 6.49 |
| 2018/03 | 106 | 4.52 | 4.50 |
| 2019/03 | 96.13 | 5.43 | 4.09 |
| 2020/03 | 112 | 5.62 | 4.78 |
| 2021/03 | 128 | 7.16 | 5.05 |
| 2022/03 | 227 | 7.82 | 8.13 |
| 2023/03 | 299 | 9.78 | 9.86 |
| 2024/03 | 299 | 8.98 | 8.83 |
| 2025/03 | 273 | 10.35 | 8.04 |
| 2026/03 | 337 | 9.84 | 8.92 |
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| 年度 | 売上高(円) | 営業利益(円) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 1,286億円 | 53.7億円 |
| 2018/03 | 1,412億円 | 63.9億円 |
| 2019/03 | 1,457億円 | 79.1億円 |
| 2020/03 | 1,447億円 | 81.4億円 |
| 2021/03 | 1,394億円 | 99.8億円 |
| 2022/03 | 1,525億円 | 119億円 |
| 2023/03 | 1,728億円 | 169億円 |
| 2024/03 | 1,544億円 | 139億円 |
| 2025/03 | 1,552億円 | 161億円 |
| 2026/03 | 1,521億円 | 150億円 |
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| 年度 | BPS(円) | 自己資本比率(%) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 2,243 | 62.30 |
| 2018/03 | 2,349 | 64.60 |
| 2019/03 | 2,349 | 65.60 |
| 2020/03 | 2,367 | 67.10 |
| 2021/03 | 2,583 | 63.90 |
| 2022/03 | 2,799 | 63.50 |
| 2023/03 | 3,035 | 67.30 |
| 2024/03 | 3,415 | 64.70 |
| 2025/03 | 3,391 | 64.80 |
| 2026/03 | 3,820 | 66.60 |
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| 年度 | 営業CF(円) | 投資CF(円) | フリーCF(円) |
|---|---|---|---|
| 2017/03 | 412億円 | -78.6億円 | 334億円 |
| 2018/03 | 121億円 | -83.3億円 | 37.6億円 |
| 2019/03 | 117億円 | -153億円 | -36.0億円 |
| 2020/03 | 124億円 | -104億円 | 20.5億円 |
| 2021/03 | 138億円 | -138億円 | 5,100万円 |
| 2022/03 | 145億円 | -116億円 | 29.3億円 |
| 2023/03 | 156億円 | -48.6億円 | 107億円 |
| 2024/03 | 57.3億円 | -95.9億円 | -38.7億円 |
| 2025/03 | 226億円 | -176億円 | 50.8億円 |
| 2026/03 | 216億円 | -108億円 | 108億円 |
出典: IR BANK(決算短信・有価証券報告書のデータ)・Yahoo!ファイナンス。配当は分割を調整した値。
日本曹達(4041)の総合評価
業績・財務・キャッシュフロー
銘柄データでは、売上高は1,200から1,700億円台で推移し、2026年3月期は約1,521億円です。営業利益は2022年3月期の約119億円から、2026年3月期の約150億円へ増えました。
当期利益は、2023年3月期が約167億円、2024年3月期が約166億円、2025年3月期が約150億円、2026年3月期が約183億円です。ROE(自己資本利益率=株主のお金でどれだけ稼いだか)は8.92%で、長期目標の10%に届いていません。
2027年3月期の会社予想は、営業利益142億円(5.1%減)、当期利益158億円です。アグリビジネスの在庫評価益の減少と、持分法投資利益の減少が減益の要因とされています。第1四半期の経常利益は55.8億円で、前年同期比23.2%増でした。
割安性(PER・PBR・MIX係数)
現在の株価・PER・PBR・MIX係数(PER×PBR。数字が小さいほど割安とされる目安)は、記事上部のスコアシートを参照してください。
過去の年度末の値では、PERは6.11倍から15.21倍、PBRは0.57倍から0.91倍の間で動いてきました。PBRは長く1倍を下回っています。
時価総額が大きくない会社で、株価は業績と配当の変化に敏感に動く面があります。
配当・株主還元
年間配当は、2019年3月期の30円から、2026年3月期の160円まで増えました(2024年8月の1対2の株式分割を調整した値)。銘柄データでは、減配なしは2017年3月期から2026年3月期まで10期連続です。連続増配は、2025年3月期と2026年3月期の2期です(2024年3月期は前の期と同額)。記念配当・特別配当は含めていません。
公式サイトの株主還元方針は、累進配当(ただし業績に多大なマイナス影響が出た場合を除く)と、総還元性向50%以上の継続です。2026年3月期の配当性向は47.5%でした。
株主優待は、公式FAQで「実施しておりません」と案内されています。2027年3月期は160円(中間80円・期末80円)の予定で、増配は見込まれていません。
株主還元方針(会社の発表から)
累進配当(業績に多大なマイナス影響が出た場合を除く)と、総還元性向50%以上の継続
注意点・リスク
農薬は、天候や海外の需要、在庫の評価で業績が動きます。2027年3月期は、アグリビジネスの在庫評価益の減少が減益要因とされています。
持分法投資利益が2026年3月期は60.6億円と、前の期から大きく増えました。この利益は変わりやすく、経常利益の増加の主因だったため、続くかどうかは確認したいところです。
特別利益として投資有価証券の売却益が50.7億円あり、2026年3月期の利益を押し上げました。一時的な要因を除いた実力は、営業利益で見るのが安全です。
同業他社との比較
| 銘柄 | 配当利回り | PER | PBR | ROE | 自己資本比率 | スコア |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本曹達(4041) | 4.36% | 12.5倍 | 0.96倍 | 7.7% | 66.6% | A 76 |
| ADEKA(4401) | 2.79% | 14.3倍 | 1.48倍 | 10.3% | 56.0% | A 66 |
| 石原産業(4028) | 4.78% | 11.4倍 | 0.81倍 | 7.1% | 53.7% | A 78 |
| 保土谷化学工業(4112) | 2.84% | 25.9倍 | 0.64倍 | 2.5% | 60.8% | B 62 |
PER・配当利回りは会社予想、ROE は予想 EPS ÷ 直近 BPS(サイトに記事のない銘柄は直近の実績)。スコアは記事のある銘柄だけ。同業のごく一部との比較です。
配当シミュレーション
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初期値の増配率は過去5年の1株配当の伸び(年率10%、上限10%)。税金(約20%)は引いた手取りで計算し、株価は変わらないものとします。将来の配当を約束するものではありません。
決算でチェックしたいポイント
- アグリビジネスの営業利益と、在庫評価益の動き
- 持分法投資利益や特別利益など、変わりやすい利益の動き
- 総還元性向50%以上の方針のもとでの、自己株式取得の有無
次の決算発表予定: 2026年11月12日(株探より)
日本曹達のよくある質問
Q日本曹達に株主優待はありますか。
ありません。公式FAQの「株主優待制度はありますか」の問いに、「実施しておりません」と案内されています(2026年10月に確認)。
Q減配なしは何期ですか。
銘柄データ(株式分割調整後)で数えると、2017年3月期から2026年3月期まで10期連続です。連続増配は2025年3月期と2026年3月期の2期です。記念配当・特別配当は含めていません。
Q配当の方針は。
累進配当を導入し、総還元性向50%以上を続ける方針です。ただし業績に多大なマイナス影響が出た場合は除きます。
Q2027年3月期の業績予想は。
営業利益142億円(5.1%減)、当期利益158億円の予想で、年間配当は160円です。
くろこの視点
日本曹達は、財務が安定していて、累進配当と総還元性向50%以上を掲げる、堅実な配当銘柄です。10期連続で減配がなく、配当は2019年3月期の30円から大きく増えました。
一方で、2027年3月期は減益予想で、配当は据え置きの予定です。2026年3月期の利益には、持分法投資利益や売却益など、変わりやすい要素も含まれていました。
次の決算で、営業利益の水準と、アグリビジネスの動き、配当の方針に変化があるかを見たいと思います。最終的な判断はご自身でお願いします。
