要約(抜粋)
配当性向は、会社がもうけのうちどれだけを配当に回しているかを示す数字です。計算方法と、高い場合・低い場合のそれぞれの見方を、良い面と気になる面に分けて整理します。
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高配当株を調べていると、「配当性向」という言葉がよく出てきます。配当利回りほど目立ちませんが、配当が続きそうかを考えるときの大切な数字です。この記事では、配当性向の意味と読み方を順番に見ていきます。
配当性向とは?
配当性向とは、会社がもうけのうち、どれだけを配当(会社が株主に分ける利益の一部)に回したかを示す割合です。
計算式は次のとおりです。
配当性向(%)= 1株あたり配当 ÷ EPS(1株あたり利益)× 100
会社全体で見るときは、「配当金の総額 ÷ 純利益(税金などを引いた最終的なもうけ)× 100」でも計算できます。
具体的な銘柄ではなく、説明用の架空の例で計算してみます。
- 1株あたり利益:200円
- 1株あたり配当:80円
- 配当性向:80 ÷ 200 × 100 = 40%
この会社は、もうけの4割を株主に配り、残りの6割を会社に残していることになります。会社に残したお金は内部留保(会社にためておく利益)と呼ばれます。設備投資や借金の返済などに使われます。
配当性向が高い会社の見方
配当性向が高い会社は、もうけの多くを株主に配っています。
良い面
- 株主への還元に前向きな姿勢が見えます
- 同じ利益の会社と比べて、配当が多くなりやすいです
気になる面
- 利益が減ったときに、配当を維持する余力が小さくなります
- 減配(配当を減らすこと)につながる可能性があります
- 成長のための投資に回せるお金が少なくなることがあります
配当性向が100%をこえる場合は、もうけ以上の配当を出していることになります。会社にためたお金を取り崩しているケースです。一時的なら問題が少ないこともあります。ただ、長く続くかどうかは確認が必要です。
配当性向が低い会社の見方
配当性向が低い会社は、もうけの多くを会社に残しています。
良い面
- 利益が少し減っても、配当を維持しやすい余力があります
- 将来の増配(配当を増やすこと)の余地があるとも考えられます
- 成長のための投資にお金を回しやすいです
気になる面
- 今の配当は少なめになりやすいです
- 残したお金がうまく使われていない場合もあります
配当性向は、「高いほど良い」「低いほど良い」とは一概に言えない数字です。業種や会社の成長段階によって、ちょうどよい水準は変わります。
配当性向を見るときの注意点
1年だけでなく数年分を見る
純利益は、土地の売却などで一時的にふくらむことがあります。その年だけ配当性向が低く見えることもあります。反対に、一時的な損失で利益が減り、配当性向がはね上がることもあります。数年分の流れで見ると、実態をつかみやすくなります。
会社の配当方針を確認する
最近は、配当の方針をはっきり示す会社が増えています。たとえば次のようなものです。
- 「配当性向○%を目安にする」という方針
- 累進配当(原則として配当を減らさず、維持か増配を続ける方針)
- DOE(株主資本配当率。会社の純資産をもとに配当を決める指標)を使う方針
こうした方針は、決算短信(会社が決算ごとに出す成績の要約資料)や中期経営計画、会社のIR(投資家向け情報)ページで確認できます。ただし、方針はあとから変わることもあります。
配当利回りとセットで見る
配当利回りが高くても、配当性向がとても高い場合は、無理をして配当を出している可能性があります。利回りと配当性向を並べて見ると、配当の「多さ」と「続けやすさ」の両方を確かめられます。
まとめ
- 配当性向は、もうけのうち配当に回した割合です
- 高い会社は還元に前向きですが、減配への余力が小さいこともあります
- 低い会社は余力がありますが、今の配当は少なめになりやすいです
- 数年分の流れと、会社の配当方針もあわせて確認すると安心です
配当性向は、配当の数字を見たときの手がかりの一つです。ほかの指標とあわせて、会社の全体像をつかむために使ってみてください。
