野村不動産ホールディングスは、分譲マンション「プラウド」などの住宅と、オフィス・商業・物流施設の都市開発を二本柱にした総合不動産会社です。2026年3月期の売上高は9,425億円(前期比24.4%増)、営業利益は1,382億円(同16.2%増)でした。
年間配当は40円(2026年3月期、株式分割の調整後)で、2017年3月期から10期連続で増えています。2027年3月期の会社予想は44円です。株主還元は、総還元性向40%から50%を目安にし、年間配当はDOE(株主資本配当率)4%を下限とする方針です。なお、株主優待制度は実施されていません。
野村不動産ホールディングス
高配当株スコアシート|2026年3月期の決算まで反映
株価(2026/10/16 終値)
862.0円
+12(+1.40%) 時価総額 7,913億円
配当利回り(予)
5.10%
1株配当 44円(2027年3月期 会社予想)
PER(予)
8.58倍
過去10年 約6.6〜11.5倍
PBR(実)
0.92倍
過去10年 約0.6〜1.1倍
配当性向(予)
43.8%
2027年3月期 会社予想(当サイト算出)
ROE(予)
10.70%
予想EPS ÷ 直近BPS
営業利益率(前期)
14.7%
2026年3月期
自己資本比率
28.5%
2026年3月期
配当の記録
10期連続増配
10年の減配 0回・今期も増配予想
株主優待
株主優待制度はありません(配当で還元する方針)。
データ: IR BANK・株探・Yahoo!ファイナンス(取得 2026/10/17、株価は毎営業日更新)。PER・配当利回りは会社予想、PBR は直近の決算の BPS で計算。
野村不動産ホールディングスはどんな会社?【事業内容】
事業は部門ごとに分かれ、2026年3月期の売上高(部門合計)では住宅が約44%、都市開発が約33%、運営管理が約13%、仲介・CRE(企業不動産)が約7%を占めます。そのほか資産運用と海外があります。住宅は分譲住宅やシニア住宅などの運営、都市開発はオフィスや物流施設の開発・売却・賃貸を担っています。
利益の面では、2026年3月期の事業利益は住宅が617億円、都市開発が540億円、仲介・CREが190億円、運営管理が135億円、資産運用が106億円でした。仲介手数料や運営管理、資産運用のように、毎年積み上がる収益も育てています。
親会社は野村ホールディングスです。2025年4月に長期経営方針を作り、2028年3月期の事業利益として合計1,600億円を目標にしています。
- 住宅44%
- 都市開発33%
- 運営管理13%
- 仲介・CRE7%
- 資産運用2%
- 海外ほか1%
ひと目でわかる強みと注意点
ここが強み
- 住宅と都市開発に加え、仲介・運営管理・資産運用の手数料型収益も育てている
- DOE4%を年間配当の下限とし、総還元性向40%から50%を掲げている
- 配当が10期連続で増え、2027年3月期も増配予想
ここに注意
- 収益不動産の売却や分譲の計上時期で、年ごとの利益が変動しやすい
- 自己資本比率28.5%、D/Eレシオ2.0倍と、借入への依存度が高い
- 海外事業の利益が2026年3月期に57.8%減った
10年の推移チャート
株価は各決算期末の終値(分割調整済み)。最後の列は今期の会社予想と現在の株価。
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| 年度 | 1株配当(円) | PER(倍) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 13 | 7.24 |
| 2018/03 | 14 | 10.43 |
| 2019/03 | 15 | 8.64 |
| 2020/03 | 16 | 6.57 |
| 2021/03 | 16.50 | 11.46 |
| 2022/03 | 19.50 | 9.53 |
| 2023/03 | 24 | 8.02 |
| 2024/03 | 28 | 11.18 |
| 2025/03 | 34 | 10.04 |
| 2026/03 | 40 | 10.45 |
| 今期予 | 44予 | 8.58 |
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| 年度 | 株価(円) |
|---|---|
| 2017/03 | 355 |
| 2018/03 | 502 |
| 2019/03 | 425 |
| 2020/03 | 351 |
| 2021/03 | 533 |
| 2022/03 | 587 |
| 2023/03 | 586 |
| 2024/03 | 877 |
| 2025/03 | 871 |
| 2026/03 | 1,011 |
| 今期予 | 862予 |
配当利回りは各決算期末の株価で計算。
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| 年度 | 配当性向(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 26.50 | 3.66 |
| 2018/03 | 28.90 | 2.79 |
| 2019/03 | 30.50 | 3.53 |
| 2020/03 | 30.10 | 4.56 |
| 2021/03 | 35.50 | 3.10 |
| 2022/03 | 31.70 | 3.32 |
| 2023/03 | 32.90 | 4.10 |
| 2024/03 | 35.70 | 3.19 |
| 2025/03 | 39.20 | 3.90 |
| 2026/03 | — | 3.96 |
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| 年度 | EPS(円) | 営業利益率(%) | ROE(%) |
|---|---|---|---|
| 2017/03 | 49.02 | 13.56 | 9.76 |
| 2018/03 | 48.18 | 12.29 | 9.18 |
| 2019/03 | 49.20 | 11.84 | 8.71 |
| 2020/03 | 53.44 | 12.11 | 8.89 |
| 2021/03 | 46.50 | 13.15 | 7.23 |
| 2022/03 | 61.56 | 14.14 | 8.94 |
| 2023/03 | 73.05 | 15.21 | 9.88 |
| 2024/03 | 78.46 | 15.26 | 9.87 |
| 2025/03 | 86.77 | 15.70 | 9.98 |
| 2026/03 | 96.69 | 14.67 | 10.34 |
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| 年度 | 売上高(円) | 営業利益(円) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 5,700億円 | 773億円 |
| 2018/03 | 6,200億円 | 767億円 |
| 2019/03 | 6,700億円 | 792億円 |
| 2020/03 | 6,800億円 | 819億円 |
| 2021/03 | 5,800億円 | 763億円 |
| 2022/03 | 6,500億円 | 912億円 |
| 2023/03 | 6,500億円 | 996億円 |
| 2024/03 | 7,300億円 | 1,121億円 |
| 2025/03 | 7,600億円 | 1,190億円 |
| 2026/03 | 9,400億円 | 1,382億円 |
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| 年度 | BPS(円) | 自己資本比率(%) |
|---|---|---|
| 2017/03 | 502 | 30.20 |
| 2018/03 | 533 | 30.00 |
| 2019/03 | 571 | 29.90 |
| 2020/03 | 606 | 30.50 |
| 2021/03 | 646 | 30.40 |
| 2022/03 | 696 | 30.30 |
| 2023/03 | 751 | 31.00 |
| 2024/03 | 801 | 30.70 |
| 2025/03 | 873 | 27.90 |
| 2026/03 | 938 | 28.50 |
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| 年度 | 営業CF(円) | 投資CF(円) | フリーCF(円) |
|---|---|---|---|
| 2017/03 | -319億円 | -546億円 | -864億円 |
| 2018/03 | 215億円 | -516億円 | -301億円 |
| 2019/03 | 900億円 | -467億円 | 433億円 |
| 2020/03 | 566億円 | -305億円 | 261億円 |
| 2021/03 | -635億円 | -558億円 | -1,193億円 |
| 2022/03 | 528億円 | -463億円 | 65.2億円 |
| 2023/03 | -428億円 | -629億円 | -1,057億円 |
| 2024/03 | 709億円 | -836億円 | -128億円 |
| 2025/03 | -1,338億円 | -2,034億円 | -3,372億円 |
| 2026/03 | 449億円 | -591億円 | -142億円 |
出典: IR BANK(決算短信・有価証券報告書のデータ)・Yahoo!ファイナンス。配当は分割を調整した値。
野村不動産ホールディングス(3231)の総合評価
業績・財務・キャッシュフロー
営業利益は、2016年3月期の809億円から2026年3月期の1,382億円へ増えました。ただし一直線ではなく、2020年から2021年にかけては売上が落ち込み、純利益も2021年3月期は422億円まで減っています。直近は、2025年3月期の748億円から2026年3月期は829億円へ伸びました。
ROE(自己資本利益率=株主のお金でどれだけ稼いだか)は、2021年3月期の7.2%を底に、2026年3月期は10.3%まで戻り、会社が長期方針で示すROE10%以上の水準に届きました。
財務は、自己資本比率が28.5%(会社の指針は30%水準)で、D/Eレシオ(有利子負債が自己資本の何倍か)は2.0倍です。営業キャッシュフローは449億円のプラスですが、投資キャッシュフローは約591億円のマイナスで、フリーキャッシュフローは142億円のマイナスでした。物件の仕入れに資金を使う不動産デベロッパーらしい姿です。2027年3月期の会社予想は、売上1兆800億円、営業利益1,400億円、純利益860億円です。
割安性(PER・PBR・MIX係数)
割安度は、PER(株価が1株利益の何倍か)、PBR(株価が1株純資産の何倍か)、その掛け算のMIX係数で見ます。株価は毎日動くため、現在の値は記事上部のスコアシートを参照してください。
デベロッパーは、分譲マンションや収益不動産の売却のタイミングで利益が増減しやすい業種です。2026年3月期の増収増益も、収益不動産の売却増と分譲の平均価格の上昇によるものと説明されています。売却益に頼る部分が大きい年は、PERが低く見えやすい点には注意が必要です。
1株純資産(BPS)は938円(2026年3月期、株式分割の調整後)まで増えています。純資産に対して株価がどの水準かを、スコアシートのPBRや10年のレンジとあわせて確認したいところです。
配当・株主還元
年間配当は11.5円(2016年3月期)から40円(2026年3月期)へ、10期連続で増えました。数字はすべて2025年の5分割を反映した調整後の値です。2027年3月期の会社予想は44円(中間22円、期末22円)で、実現すれば11期連続になります。2016年3月期以降、減配はありません(普通配当の年間合計で数えています)。
株主還元の方針は、2025年4月に作った長期経営方針で、総還元性向(配当と自社株買いを合わせた、利益に対する還元の割合)を40%から50%にするとしています。年間配当はDOE4%を満たす水準を下限とします。DOEは年間配当額を期中の平均自己資本で割った値で、2026年3月期の実績は4.5%でした。
配当性向は2026年3月期が41.4%です。DOEを下限にしているため、利益が一時的に減った年でも、配当を急に減らしにくい設計だと見ることができます。累進配当(減配せず維持か増配)は、方針として掲げていません。
株主還元方針(会社の発表から)
総還元性向40%から50%を財務指針とし、年間配当はDOE(株主資本配当率)4%を満たす水準を下限とする(2025年4月策定の長期経営方針)。中間配当と期末配当の年2回。株主優待は実施していない。
注意点・リスク
有価証券報告書の「事業等のリスク」は12項目で、「投資」「外部」「災害」「内部」の4つに分類されています。1番目は「不動産投資に伴うリスク」で、土壌汚染、許認可の遅れ、工事費やエネルギー費の上昇による収益の悪化が挙げられています。
4番目の「経済情勢の変化によるリスク」には、景気後退や金利上昇、為替変動が含まれます。有利子負債は1兆5,994億円と大きく、金利が上がる局面では利払いや分譲マンションの販売への影響を確認したいところです。2027年3月期に特に注視するリスクとして、建築費の高騰や用地取得の競争、金利上昇なども挙げられています。
海外は規模が小さく、2026年3月期の事業利益は28億円で、前期比57.8%減でした。ベトナムの分譲計上戸数が減ったためで、海外の成長は計画ほど伸びていません。
同業他社との比較
| 銘柄 | 配当利回り | PER | PBR | ROE | 自己資本比率 | スコア |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 野村不動産ホールディングス(3231) | 5.10% | 8.6倍 | 0.92倍 | 10.7% | 28.5% | A 77 |
| ヒューリック(3003) | 3.94% | 10.7倍 | 1.42倍 | 13.3% | 26.0% | A 74 |
| 積水ハウス(1928) | 4.28% | 9.8倍 | 1.03倍 | 10.5% | 42.7% | A 78 |
PER・配当利回りは会社予想、ROE は予想 EPS ÷ 直近 BPS(サイトに記事のない銘柄は直近の実績)。スコアは記事のある銘柄だけ。同業のごく一部との比較です。
配当シミュレーション
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初期値の増配率は過去5年の1株配当の伸び(年率10%、上限10%)。税金(約20%)は引いた手取りで計算し、株価は変わらないものとします。将来の配当を約束するものではありません。
決算でチェックしたいポイント
- 2027年3月期の営業利益1,400億円と配当44円の会社予想が、第2四半期(10月29日発表予定)でどう進むか
- 住宅の分譲計上戸数・平均価格と、収益不動産の売却額の動き
- 自己資本比率(28.5%)とD/Eレシオ(2.0倍)が、会社の指針の水準に近づくか
次の決算発表予定: 2026年10月29日(株探より)
野村不動産ホールディングスのよくある質問
Q株主優待はありますか。
ありません。公式の株主還元ページに「現在、株主優待制度は実施していません」と書かれています。今後の実施は、株主還元の方針や株主からの要望を考えて決めるとされています。
Q連続増配は何期ですか。
過去の年間配当で数えると、2017年3月期から2026年3月期まで10期連続で増配です(1%未満の差は同額扱い)。2027年3月期の会社予想は44円で、実現すれば11期連続になります。
Q配当が34円から40円になっているのは、株式分割の影響ですか。
2025年4月1日に1株を5株にする株式分割を行ったため、過去の配当は分割後の株数で調整して表示しています。2025年3月期は分割前では170円、調整後では34円です。調整後で比べると、2026年3月期の40円は6円の増配です。
QDOE4%の下限とは何ですか。
DOE(株主資本配当率)は、年間配当額を期中の平均自己資本で割った値です。会社は年間配当をこの値が4%以上になる水準にすると決めています。2026年3月期の実績は4.5%でした。
くろこの視点
野村不動産ホールディングスは、住宅と都市開発という大きな柱に、手数料型の収益を足して利益を積み上げている会社です。配当にDOE4%という下限を置いている点は、配当を重視する人が確認しやすい特徴です。
一方で、デベロッパーの利益には、収益不動産の売却の時期による波があります。自己資本比率が28.5%で借入も大きいため、金利や建築費の動きが業績に響きやすい面もあります。海外が伸び悩んでいる点も気になります。
決算では、住宅の分譲計上戸数と平均価格、収益不動産の売却額、自己資本比率の動きを確認すると、利益の質が見えやすくなります。最終的な判断はご自身でお願いします。
